肩インピンジメント症候群 -病態と症状-

今回は、肩インピンジメント症候群の病態について説明します。

肩インピンジメント症候群は、1972年 Neerによって報告されました。
第2肩関節に存在する肩峰下滑液包の炎症や肥厚によって生じる痛みを生じる病態の総称と考えられています。

<好発スポーツ>
   野球、テニス、バレーボール、水泳 など 
  ※上肢を多様するオーバーヘッドスポーツ
 
<臨床症状>
   投球動作やストローク動作時の肩前面の痛み
   明らかな症状発現のきっかけがなく、徐々に痛みが増悪することが多い。
   Painful arc sign陽性:肩関節の挙上時、80~120°の間でのみ痛みが出現する。

<インピンジメントの成因>
 ①先天的な骨の形態や角度、外傷後の変形や骨棘の形成、肩峰下滑液包の肥厚 → 外科的処置が必要

 ②腱板断裂や腱板筋群の筋力低下による、上腕骨骨頭の引き込み不良
   インナーマッスルとアウターマッスルの不均衡によって、肩関節挙上時の上腕骨頭の軌道が変化し、インピンジメントを引き起こす。

 ③僧帽筋などの肩甲骨周囲筋の筋力低下や、胸椎の過度な後弯や猫背などの姿勢不良から起こる肩甲骨の上方回旋不足
  → 相対的な腱板機能の低下を招き、インピンジメントの原因となる。

 ④後方関節包の拘縮
  → 肩関節屈曲時に上腕骨頭を前方に移動させ、インピンジメントを引き起こす。
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