障害の受容

ある日突然、両足が動かなくなって歩けなくなったらどうしますか?

病気、ケガ、交通事故など理由は様々です。
回復状況も様々です。
完全に良くなる場合もあるし、全く良くならない場合もあります。

実際に私がそんな状況になったら、受け入れるの時間がかかると思います。
今やってるフットサルもマラソンもできなくなります。
大好きな海外旅行にも行けなくなると思います。
他に趣味を見つけられればいいのですが、今は思いつきません。

現在、担当している患者に両下肢不全麻痺の患者が2名います。
原因はここには書けませんが、1人は高齢男性、1人は独身女性です。

男性本人は状態を受け入れ、今後車いすでの生活に向けて前向きに考えていますが、家族は歩行獲得を望み、車いすでの自宅復帰をよく思っていません。
女性は、装具装用と杖を使用して歩行可能なレベルですが、“装具なしでの独歩”と“ミッション車の運転”を望まれ、まだ全く障害の受容ができていません。

2人とも医師から、「どこまで回復するかはわからない」と言われています。
うちの病院に入院して1カ月余りが経ち、少しずつ病態に対して理解し、前向きに考えられるように変化はみられますが、まだまだ完全に受け入れて日常生活に戻っていくには時間がかかりそうです。

「何故私だけこんな目にあうんだろう? 何か悪いことしたかな?」
女性がよく口にします。
「きっと神様が働きすぎの人に少し休む時間をくれたんだろう」とケガをした人に言うことがあります。
そう考える以外にケガや病気になる理由が思いついません。

「患者の気持ちがわかる」とは決して軽々しく言えません。
実際にその状況にならないと心境はわからないと思います。
身体機能のリハビリに加えて、心のケアも必要だと感じながら、いつも上手くできているか不安に思いながら、不安は悟られないように患者と接しています。

時間はかかりますが、自分の障害を受容して、前を向いて進んでいける日がくることを望んでいます。
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